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エイズデーとJAZZコンサート

以前の記事にも書いた世界銀行の知り合いからのお誘いもあり、↓に行ってきました。

エイズ・アウェアネス・JAZZ コンサート2007「愛する人の事を考えました」



第1部として、エイズに関するパネルディスカッションが行われ、その後、第2部として、「中村照夫&ライジング・サン」というバンドがJAZZのライブをやるという構成でした。開場は300人くらいいたようです。意外に多いなあ。

中村照夫さんって恥ずかしながら知らなかったけれど、結構有名な人みたい(・・;)。
このサイトをみるに、ニューヨークに35年近く在住しており、現在も活躍中とのベーシストとのこと。73年には「ライジング・サン」を結成して、リリースされたアルバム(『Rising Sun』、『Manhattan Special』)はビルボード誌などの全米チャートでトップ10入りしたとのこと。そんな風に活躍するなかで、尊敬するミュージシャン、身近なミュージシャンがHIV感染して次々と他界してしまったことをきっかけに、エイズのアウェアネ(awareness)を向上するために精力的に活動を続けているらしいです。

ウィキペディアによれば、12月1日は世界エイズデーとされており、

「世界規模でのエイズ蔓延の防止、エイズ患者やHIV感染者に対する差別、偏見の解消を目的として、1988年に世界保健機関によって定められた記念日である。

1988年から2004年までは、国際連合エイズ合同計画によって運営されていたが、2005年からはThe World AIDS Campaig(WAC)によって運営されている。シンボルは赤いリボン(感染者・患者への連帯を表す)。」


とのことです。

●AIDS/HIVについて

超基本的で恐縮ですが、AIDSとは、後天性免疫不全症候群(Acquired Immune Deficiency Syndrome)をいい
ウィキペディアによれば、

「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞に感染し、免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を起こす免疫不全症の事である。一般に英語の略称エイズ(AIDS)として知られている。」


であり、他方、HIVとは、ヒト免疫不全ウイルス
(Human Immunodeficiency Virus, HIV)をいい
、ウィキペディアによれば、

「人の免疫細胞に感染し免疫細胞を破壊して、後天的に免疫不全を発症させるウイルスである。」


とのこと。AIDSという症状の原因としてHIVがあるという関係。日常会話ではあまり厳密に区別せずに使っていたので、ちょっと気をつけてみようと思います。なお、治療法については、上記ウィキペディア(「HIV」・「AIDS」:12月2日現在)によれば

HIVがレトロウイルスである事から、HIV自身が増殖に必要な酵素を阻害する、逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、非核酸系逆転写酵素阻害剤が開発され治療薬として使われている。現在のHIV治療はこれらを複数組み合わせて使用する。これは多剤併用療法、HAART(HAART療法、Highly active Anti-Retroviral Therapy)、カクテル療法などと呼ばれている。

また、ウイルスが細胞に取り付くところを抑制する薬剤(フュージョンインヒビター)の開発もされ、米国及び、EUで認可されている。HIV治療薬は適正な使用によりHIVの増殖を抑制し、患者の免疫機能を回復させ病勢の進行を遅らせるのに一定の効果があり、現在ではHIV感染症は長期にわたりコントロールできる疾患になりつつある。しかしHIV自体を体内から排除する根本治療ではない。

2007年7月17日にタカラバイオ社は、RNA分解酵素を含有するレトロウイルスベクターを使ったエイ遺伝子治療法において、細胞レベルでの検査で有効性が認められた事からサルの評価試験段階に移行を開始した事を発表した。 実験内容としてSHIV(サルのエイズウイルス)にazFが導入されたT細胞ではSHIVは全く増えなかった。これまでの研究によりエイズ複製が抑制されエイズウイルス産生細胞は減少していく事を確認したと同社は発表した。今後は、サルへの評価実施試験で評価され、人への臨床試験へと段階的に移行していくものと思われる。


とあります。(一種の)延命措置はあるけれども、未だ有効な「治療」の方法はないという感じでしょうか。

ちなみに、意外にも先進国の中では日本だけがHIVの感染者が増加傾向にあるそうです。

●アフリカを含む途上国での対応

エイズ発祥の地ともいわれるアフリカでは、

・紛争の犠牲者となった難民(特に軍から暴行を受けやすい女性)
・母子感染
・難民キャンプ・社会的に阻害されている民族などでは早期から無防備のまま
 性交渉が始まることがあること、

などが原因となっている模様。すごく意外でしたが、
パプアニューギニアでもAIDSが深刻な模様。

これらの問題は、(素人的な考えですが)「みんなが一丸となって解決すべき問題」として、進むべき方向性はある程度はっきりしているので、「どういった方法で」「どういったリソースを使って」対策を練るかという点が大きな問題になっているのだろうと思います。

ただ、問題はこれだけではありません。上記ウィキペディア(「AIDS」)によれば、

日本以外のアジアやアフリカで薬剤が手に入り難い背景には、薬剤の開発及び使用に対する、特許の使用料問題など、単に経済的問題だけではなく、性がタブー視されている宗教的問題(イスラム圏など)、主権が国民に無く言論や行動に自由が認められていない政治的問題等複雑な要因がある。


とのことです。

まず、特許権が原因で途上国のAIDSが救われていないのであれば、それは不合理な気がします。ナイロビの蜂では、大手製薬会社がアフリカの市民をAIDSの新薬の実験台に使って莫大な利益を得ている、という描写があったと思いますが、これは本当なのでしょうか。

他方、宗教の問題は、以前の記事にも書きましたが、難しいと思います。①アフリカに宣教師が派遣され、カトリックを普及していること、②カトリックの教義の中には避妊行為を極めて厳格に制限する考え方もあり、コンドームの使用の妨げになっていること、しかも、ローマ法王も厳格な見解を採用していると思われること、から「AIDSの撲滅」と対立軸として「宗教」の存在があるようです。

無宗教な私からすると、「もっとプラクティカルに考えようよ」といいたいところですが、宗教はそんな簡単に解決できる問題ではなく、難しい問題だと思います。

(つづく)
by sipoftip | 2007-12-03 09:35 | 国際協力


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